エンジン

ホンダ『B16A』エンジンのスペック・搭載車種やチューニング情報を紹介

90年代のホンダを代表する車と言えば、シビックインテグラといったではないでしょうか。車好きなら誰もが聞いたことがある名前だと思います。

大衆車の使いやすさはもちろん、スタイリッシュでスポーティなグレードも存在し、老若男女問わず人気がありました。

また、この時期はホンダの代名詞でもあるVTECエンジンが次々に量産エンジンに搭載され、シビックやインテグラに搭載されたB16Aエンジンにも採用されたのです。

名車が多い1.6Lクラスのホンダ車の心臓部であるB16Aエンジン。

当時の大衆車エンジンであるにもかかわらず、リッター100馬力オーバーの性能を発揮していましたので、名機と言っても過言ではありません。

そこで今回は、B16Aエンジンについての詳細や搭載車種についてご紹介していきます。

また、エンジンのメンテナンス情報や、チューニング情報、VTECエンジンについても詳しくご紹介していますので、B16Aエンジンについて興味がある人は、ぜひご一読ください。




B16Aエンジンの歴史と概要


B16Aエンジンは、ホンダの量産車に搭載されているB型エンジンに分類されます。

B型エンジンは、主にセダンやクーペ、ハッチバックタイプの車に採用されている直列4気筒のエンジンが当てはまるため、当時の量産エンジンのほとんどはB型エンジンと言っても過言ではありません。

最初にB型エンジンが搭載されたのは1989年。インテグラのエンジンに採用されました。

その後、インテグラは1.8Lが主流になったため、B16AエンジンはシビックやCR-Xに採用されるようになりました。

B16Aエンジンは小型のエンジンでありながらDOHCのVTEC機構を搭載しており、当時の量産エンジンとしてはかなりスポーツ志向が凝られたエンジンだったようです。

昔からエンジンと言えばホンダとも言われていたように、高回転まで気持ち良く吹け上がるB16Aエンジンの評判はかなりよかったようです。

ホンダを代表するDOHC VTECエンジン

↓下の動画はVTECエンジンの構造を解説している動画です。非常にわかりやすいので必見の内容です

B16Aエンジンに採用されているDOHC VTECについてご紹介します。

当時のVTECエンジン開発目標は、NA(自然吸気)エンジンの状態でリッターあたり100馬力超の高出力化を実現することでした。

そこでホンダは、可変バルブタイミング・リフト機構であるVTECを開発しました。

VTECエンジンは、カムシャフトが「ハイ」「ロー」の2種類が搭載されており、回転数によって吸・排気タイミングやリフト量を調整します。

そのため、中・低速域では燃費が向上され、高速域では大幅な馬力向上を実現しています。

もともとVTECエンジンは、フォーミュラエンジンやツーリングカー選手権で採用されたエンジンから開発されました。

B16Aエンジンのスペック

B16Aエンジンを含むB型エンジンは、スポーツ目的だけでなく、ファミリーカーとしての役割を担う車体に搭載されることも多かったため、扱いやすさも兼ね備えられたエンジンとも言えます。

特に生産が多かったB16Aエンジンのスペックを見てみましょう。

弁機構 DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
排気量 1,595cc
内径×行径(単位:mm) 81.0×77.4
圧縮比 10.4
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
最高出力(車種名) 125kW(170PS)/7,800rpm(EK4シビック)
最大トルク(車種名) 157N·m(16.0kgf·m)/7,300rpm(EK4シビック)

高回転域で伸びのあるエンジンに加え、低回転でのトルクも大きさも非常に特徴的です。

また、可変バルブタイミングの切り替えも、しっかりアクセルを踏み込まないとできないようになっているため、高回転でもVTECを作動させなければ、ある程度燃費を抑えることができます。

B16Aエンジンを搭載した車

B16Aエンジンが販売された当時は、1.6Lクラスの小型エンジンを搭載する車が主流となっていました。代表的な車種をまとめると、

  • CR-X
  • シビック
  • インテグラ

となります。

また、グレードによって排気量がそれぞれ異なり、その中でもB16Aエンジンを搭載していた車種を紹介すると、以下の通りとなります。

  • CR-X SiR:EF8
  • CR-X デルソル:EG2
  • シビック SiR:EG6・EK4
  • シビック フェリオ:EG9
  • インテグラ RSi:DA6

CR-X SiR:EF8

CR-X SiR

引用

軽量・コンパクトな「若者向けスポーツ」として登場したCR-Xは、車両重量970kgと、軽自動車並の軽さを誇ります。

初期型のCR-XこそVTEC非搭載のエンジンでしたが、スポーツグレード「SiR」にはB16Aエンジンが搭載。軽量ボディでのVTEC作動時の加速は、2Lクラス並とも言われています。

ただし、あまりにも軽量にしすぎたせいか、ボディ剛性自体は少なく、カチッとしたスポーツカーっぽさはないとも言われています。

また、反対に全長が短く、フロントヘビーのアンバランスな重量配分の車体は、簡単にテールスライドを起こします。

そのため、ジムカーナのようなサイドブレーキを使った小回りを得意とするため、ドリフトマシンとして人気もあります。


CR-X SiRに搭載されているB16Aエンジンのスペック

排気量 1595cc
圧縮比 10.2
最高出力 160PS(118kW)/7600rpm
最大トルク 15.5kgm(152Nm)/7000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
燃費(10・15モード) 13.4km/L




CR-X デルソル:EG2

CR-X デルソル

引用

1992年にモデルチェンジされたCR-Xは、これまでのハッチバック式ではなく、スイッチ操作で屋根をトランクルームの専用ホルダーに収納するタイプ、CR-X デルソルへと進化しました。

デルソルとは、スペイン語で太陽という意味を持つため、明るい太陽の下で軽快に走り抜ける願いを込めて命名されたようです。

また、ボディはスポーツシビックをベースに開発されているため、ヘッドライト周辺はシビックそのもの。間違えてしまう人も多かったようです。

CR-X デルソルに搭載されているB16Aエンジンのスペック

排気量 1595cc
圧縮比 10.4
最高出力 170PS(125kW)/7800rpm
最大トルク 16.0kgm(157Nm)/7800rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
燃費(10・15モード) 13.6km/L

 

シビック SiR:EG6・EK4

シビック SiR

引用

通称「スポーツシビック」とも言われた3ドアハッチバッグモデルで、外観はブラジルのサンバをイメージしてデザインされたと言われています。

テールゲートは、一部分のみ開くタイプのリアゲートが採用されています。

初代の足回りはサスペンションのストローク量が不足しているため、段差を乗り越える時に大きなショックがありましたが、EG型になり、ストロークが大きく取れるように改良されました。

荒れた路面での乗り心地や、うねりが大きくアップダウンがある路面でもタイヤが地面をしっかり捉えることができ、エンジンパワーを無駄なく使い切ることができるようになりました。


シビック SiRに搭載されているB16Aエンジンのスペック

排気量 1595cc
圧縮比 10.2
最高出力 160PS(118kW)/7600rpm
最大トルク 15.5kgm(152Nm)/7000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
燃費(10・15モード) 13.4km/L

 

シビック フェリオ:EG9

シビック フェリオ

引用

乗用車タイプの典型的な形をしているシビック フェリオは、商用車としての需要も高く、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。

また、教習所や交番配置の車としても使用されていたため、乗りやすさはかなり優れています。

マニュアルミッションとオートマミッションの2タイプがありますが、それぞれ最高出力が異なります。

  • MT・・・170PS
  • AT・・・155PS


シビック フェリオに搭載されているB16Aエンジンのスペック

排気量 1595cc
圧縮比 10.4
最高出力 170PS(125kW)/7800rpm
最大トルク 16.0kgm(152Nm)/7300rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
燃費(10・15モード) 13.0km/L

 

インテグラ RSi:DA6

インテグラ RSi

引用

1989年にフルモデルチェンジをした2代目インテグラ RSiは、平らなボディが非常に特徴的。

一見するとアコードのようにも見えますが、さらにコンパクト車体サイズとなっています。

車体の重量自体も990〜1190キロと、非常に軽量となっていますので、走り屋からも大きな支持を得ていました。

また、シビックとサスペンションを共有し、北米では人気のアキュラブランドで人気を有し、若者から年配層まで幅広い世代で人気があります。

インテグラ RSiに搭載されているB16Aエンジンのスペック

排気量 1595cc
圧縮比 10.4
最高出力 170PS(118kW)/7800rpm
最大トルク 16.0kgm(157Nm)/7300rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
燃費(10・15モード) 12.6km/L




B16AエンジンはB16B・B18Cエンジンとどう違う?

B16Aエンジンとよく比較されるエンジンに、B16BエンジンB18Cエンジンがあります。

B16Bエンジンは、シビック タイプR(EK9)用に開発されたエンジンで、1.6Lの排気量でありながらリッター115馬力をマークしています。

また、B18Cエンジンは、インテグラ(DC2)用のエンジンとなっています。ちなみにB18Cエンジンは、標準タイプとタイプR用のspecRの2種類があります。

B16BとB18CspecRエンジンは、どちらも職人の手作業によって入念にバランス取り、ポート研磨されたエンジンで、レーシングエンジン並みのレスポンスを発揮します。

NAエンジンでありながら高回転域を使えば、ノーマルの状態でも加速Gが味わえるでしょう。

各エンジンのスペックを見比べてみましょう。

エンジン B16A B16B B18C B18CspecR
弁機構 DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
排気量 1,595cc 1,595cc 1,797cc 1,797cc
内径×行程(単位:mm) 81.0×77.4 81.0×77.4 81.0×87.2 81.0×87.2
圧縮比 10.4 10.8 10.6 11.1
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
最高出力(車種) 125kW(170PS)/7,800rpm(EK4 シビック) 136kW(185PS)/8,200rpm(EK9 シビック TYPE R) 132kW(180PS)/7,600rpm(DC2 インテグラ) 147kW(200PS)/8,000rpm(DC2 インテグラ TYPE R)
最大トルク(車種) 157N·m(16.0kgf·m)/7,300rpm(EK4 シビック) 160N·m(16.3kgf·m)/7,500rpm(EK9 シビック TYPE R) 175N·m(17.8kgf·m)/6,200rpm(DC2 インテグラ) 186N·m(19.0kgf·m)/6,200rpm(DC2 インテグラ TYPE R)

 

B16Aエンジンの維持やメンテナンス

B16Aエンジンは量産エンジンとして高い信頼性がある信頼性がありますが、

  • 登場からすでに30年近く経過している
  • VTECが搭載されているため酷使されている

といった特徴があるエンジンですので、定期的にメンテナンスしてあげなければ突然エンジンが焼き付いたり、燃費が異常に悪くなることも十分ありえます。

最も身近なメンテナンスと言えば、エンジンオイルの交換。

そこでおすすめのエンジンオイルや交換頻度についても詳しくご紹介していきます。

また、エンジン不調の確認方法として利用できるものとして役立つのが燃費測定です。

B16Aエンジンの通常時の燃費についてもまとめておきます。

燃費はどれくらい?

B16Aエンジン搭載車種の主な燃費を見てみましょう。※10・15モード

  • CR-X SiR・・・13.4km/L
  • CR-X デルソル・・・13.6km/L
  • シビック SiR・・・13.4km/L
  • シビック フェリオ・・・13.0km/L
  • インテグラ RSi・・・12.6km/L

数字だけ見てみると、現代の同排気量のエンジン比べるとやや燃費が劣ると感じるかもしれません。

しかし当時のエンジンの中ではむしろ燃費が良いエンジンとして有名でした。

VTECの作動域以外の低・中回転域ではあえてバルブリフト量を少なくし、燃料の量を絞ることで燃費改善が見込めます。

また、B16Aエンジンはハイオク仕様となっていますが、燃料代を抑えたいからと言ってレギュラーにすると、反対に燃費が悪くなる傾向があります。

維持費を抑えたいからと言ってレギュラーガソリンを入れるのはやめておきましょう。

おすすめのエンジンオイル

街乗りからスポーツ走行まで、全域を満遍なく使用するB16Aエンジン。

どのような状況でもしっかりとエンジンを保護できる程度の良いエンジンオイルを選ぶ必要があります。

最もおすすめのエンジンオイルは、やはり純正のエンジンオイルでしょう。

ホンダはエンジンの開発と共にエンジンオイルの開発も同時進行するため、最も相性が良いのです。

ちなみにおすすめのエンジンオイルは、以下の通りとなります。

ちなみにVTEC搭載車に0Wのエンジンオイルを入れると、フィリクションロスはなくなるものの、オイルシールが痛みやすくなります。

そうなると、オイルが漏れてくる可能性もあるため、最低でも5Wからのものを入れておくことをおすすめします。

B16Aエンジンのオーバーホールは30〜50万円

B16Aエンジンのオーバーホールにかかる費用の相場は、30〜50万円となります。

普段の街乗り用の車として利用されていることも多いため、ものによってはオーバーホールをしなくても問題ないエンジンもたくさんあります。

とは言ってもやはりある程度年月が経過した車であることに変わりありませんので、状態によってエンジンをオーバーホールしなくてはいけなくなります。

エンジンのオーバーホール時期は、使用状況によっても大きく変わりますが、B16Aエンジンの場合だと、20万キロくらいを目安に考えておくと良いでしょう。

走行距離以外に確認する方法としては、次のような方法があります。

  • オイルの減りが早い
  • マフラーから白煙が出てくる
  • エンジンの吹け上がりが悪くなったり振動が大きくなった

長距離走行しているB16Aエンジン搭載車に乗っており、このような現象が現れた場合は、近くの修理工場に点検を依頼することをおすすめします。

ただし、お店によってはオーバーホールをしなくて良い状態でもわざとオーバーホールを勧めて高額な工賃を請求するところも存在します。

少し面倒と思うかもしれませんが、複数の修理工場を回って本当に必要かどうか判断することをおすすめします。

↓下の動画はB16Aエンジンのタイミングベルトの交換を解説している動画となります

B16Aエンジンのチューニング

量産エンジンとしての完成度が高く、そのままでも十分楽しめるB16Aエンジン。もちろんチューニングを施せば、さらなるパワーアップが見込めます。

B16Aエンジンで人気があるエンジンチューニングは、

  1. ECUチューニング
  2. 排気系チューニング
  3. 1.8・2.0Lボアアップチューニング

となります。

①ECUチューニング

ECUチューニングにかかる費用の目安は、15〜25万円程。ノーマルの状態のエンジンは、ECUによってエンジンがオーバーワークにならないように制御されているのです。

そのため、ECUから最新の社外ECUに交換するだけで、馬力を向上させることができるのです。

また、ECUを交換することで、パソコン1つでVTEC作動域やレブリミットの回転数も変更できるのです。

②排気系チューニング

純正の車体に取り付けられているマフラーは、触媒や消音器が大きく、排気抵抗が大きい状態なのです。

そのため、社外マフラーの交換するだけでも、かなりのパワーアップが見込めます。

マフラー交換のデメリットとして考えられるのは排気音の音量問題だと思いますが、最近では消音効果はそのままで、馬力やトルクがバランスよくアップするマフラーも販売されています。

③1.8・2.0Lボアアップチューニング

VTECの機能はそのままで、さらにパワーを求めたいという人は、ボアアップチューニングという選択も考えられます。

などのチューニングショップで、ピストン交換やシリンダーのボアアップを施せば、馬力とトルクの両方をバランス良く向上させられます。

また、吹け上がりのレスポンスも良くなるため、ターボ車にも引けを取られないでしょう。

チューニングをするには、1度エンジンを分解しなければいけませんので、エンジンオーバーホールのタイミングでボアアップをして一味違う乗り味を楽しむのもアリなんじゃないでしょうか。

まとめ:ホンダ車の主力車種の心臓部であったB16Aエンジンは今でも優秀なエンジン

B16Aエンジンの詳細スペックや搭載車種、チューニング情報についてご紹介しました。

当時のホンダ車の主力車種ともいえるシビックやインテグラに搭載さているエンジンで、多くの人々に受け入れられる万能エンジンとも言えますね。

また、ホンダを代表する技術であるVTEC機構を搭載しており、リッター100馬力以上のスペックを持ちます。

販売からかなりの年月が経過しているため、さすがにメンテナンスも必要になることもありますが、今尚チューングショップも多くありますので、メンテナンスに困ることはありません。

そのため、B16Aエンジンが搭載された車に乗るハードルも決して高くはないはず!機会があれば、ぜひB16Aエンジンを堪能してみてください。