エンジン

ホンダ『B16B』エンジンはリッター100馬力!搭載車種や歴史を紹介

ホンダの伝統エンジンとも言えるB型エンジン。中でもB16Bエンジンは1.6リッターながらリッター100馬力オーバーの超高出力エンジンとして有名です。

しかもB16Bエンジンは、ホンダを代表する車「シビック」のタイプRに採用されていたため、車好きであれば、知らない人はいないほど知名度が高いエンジンとも言えるでしょう。

そこで今回は、B16Bエンジンの、

  • 歴史と概要
  • スペック
  • 搭載車種
  • オーバーホールやチューニング情報

と言った内容をご紹介していきます。

また、ホンダのアイデンティティでもある「タイプR」や「VTEC」についても詳しく解説していきますので、ぜひご一読ください。




B16Bエンジンの歴史と概要

↓こちらの動画ではB16Bエンジンの作動音を聞くことができます(音量注意!)

B16Bエンジンは、ホンダのシビック タイプR(EK9)に搭載されていたエンジンです。

B16Bが登場する以前は、リッター100馬力を発揮するB16Aエンジンを開発し、当時のシビックSiRでも170馬力ほどの出力がありました。

しかし、最大馬力だけで考えてみると、三菱ミラージュの175馬力に劣っている現状。

「エンジンと言えばホンダ」とも言われているように、エンジンに関しては負けるわけにはいきません。

そして後に登場したインテグラ用に開発されたB18Cエンジンは、専用パーツの採用や、職人によって手作業で作られた超高回転型エンジン。

もちろんシビック タイプRに採用されているB16Bエンジンも同様の手法が取られており、最高出力は185馬力にも及びます。

B16Bエンジンはリッター100馬力超えの超高スペック


これまで1600ccのエンジンは、多くの場合ターボエンジンが搭載されていました。

しかしB16Bエンジンの登場によって、イチロクエンジンとも言われる1600ccエンジン最強の称号を手に入れることになります。

今でこそリッター100馬力のエンジンは珍しくありませんが、当時リッター100馬力ほどの出力を超えるエンジンは、大排気量かターボエンジンを搭載しているかのどちらかでした。

そのため、NAエンジンで185馬力を叩き出すB16Bエンジンは、世の中にかなりのインパクトを与えました。

B16Bを乗せたタイプRブランドが誕生

実はタイプRブランドが誕生するまでは、ホンダの中では明確なスポーツブランドとして差別化された車はほとんどありませんでした。

しかし既存車種の最上級ブランドの位置付けとして「タイプR」が設定されるようになったのです。

B16Bエンジンはまさに「タイプRに搭載されるために開発されたエンジン」ということができます。

上級グレードを高級志向にしないのはさすがホンダとも言うべきか、目的は公道というよりサーキット向けに設定されて開発されています。

そのため、純正の状態でも非常に硬い足回りとなっています。一般道の悪路を走ろうものなら、一度段差に乗ると突き上げられる衝撃を受けます。

また、遮音材も必要最低限のものしか装備されていませんので、エンジンサウンドがダイレクトに響いてきます。

ある程度の快適さを犠牲とした代わりに、軽量でガッチリとした車体も手に入れたタイプRシリーズは、ホンダのスポーツブランドを代表する地位を確立していくのです。

B16Bエンジンに欠かせないVTECエンジン

B16エンジンはホンダが開発した可変バルブタイミング機構「VTEC」エンジンを搭載しています。

VTECエンジン

エンジンの回転数によってバルブの開閉タイミングや開閉量を調整するホンダオリジナルの機構のこと

エンジン内部の「カム」と呼ばれる部品に、低回転時と高回転時両方のカムプロフィールが付けられています。

これにより、中低回転時はバルブリフト量を少なくし、ファミリーカーのように静かな吹け上がりが実現します。

反対に、高回転になるとバルブリフト量が多い高回転型のカムに切り替わるようになり、回せば回すほど別物の荒々しいエンジン特性になります。

このギャップがVTECエンジンの大きな特徴で、今尚「ホンダエンジンと言えばVTEC」と言われるほどの知名度があります。




B16Bエンジンのスペック

B16Bエンジンのスペックを見てみましょう。

B16Bエンジンは、EK9のシビック タイプRにのみ搭載されているエンジンとなっています。

EK9のエンジンスペックは、以下の通りになります。

弁機構 DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
排気量 1,595cc
ボア×ストローク 81.0mm×77.4mm
圧縮比 10.8
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
最高出力 136kW(185PS)/8,200rpm
最大トルク 160N·m(16.3kgf·m)/7,500rpm
VTEC切替 6,100rpm
レッドゾーン 8,500rpm
レブリミット 9,000rpm

B16Bエンジンの開発当初は、レース関係者から「最低でもあと10馬力欲しい」と言われていました。

そのためサーキットでも戦闘力も考慮して、185馬力以上を目標に開発されたと言われています。

高回転域でのパワーアップは、圧縮比を10.4から10.8に高めることで解決。

また、あくまで市販車ですので、扱いやすさも考慮しなければいけません。B16Bエンジンの場合は、バルブタイミングのチューニングによって低回転の領域も考えられています。

さらにエンジンの高回転を実現するため、バルブ系が大幅に強化されています。

それ以外にも、傘部は余計な部分を削ってスリム化しているため、スムーズな吹け上がりが実現されています。

そのためB16Bエンジンは高回転域での伸びはもちろん、エンジンサウンドも非常に心地よい仕上がりとなっているのです。

B16Bエンジンを搭載したシビック タイプR:EK9はどんな車?

タイプR EK9

引用

B16Bエンジンを唯一搭載しているシビック タイプRは、1997年8月に登場しました。

当時はB18Cエンジンを搭載したレーシングカーテイストのインテグラ タイプRが販売され、それに続く兄弟車としての位置付けを目指し、開発されたのです。

開発段階のライバルは、自社のインテグラ タイプR。

開発はあえてニュルブルクリンクではなく、筑波サーキットや鈴鹿サーキットで行われ、筑波サーキットの1秒落ちを目標に掲げてテストが繰り返されたのです。

1.8Lのインテグラと比べてどうしても排気量は劣るため、代わりにコーナリング性能を鍛えることで、インテグラに対抗します。

強靭性のある足回りとワンランク上のブレーキを採用。1050kgの超軽量な車体との組み合わせで、FF車ながら市販車最強のコーナリング性能を発揮します。

とはいえ、シビックはもともと大衆車でしたので、居住空間や乗り心地を確保しなければいけません。

ホイールベースを延ばして居住空間を確保し、衝突安全性もしっかり向上されています。

また、若者でも購入できるよう、開発費は200万円以下であることも目標にされていました。

B16BエンジンはB16A・B18Cエンジンとどう違う?

B16Bエンジンと比較されるエンジンに、B16AB18Cエンジンがあります。

一見何が違うのかがピンとこないかもしれませんが、わかりやすく分けると、以下のようになります。

  • B16A・・・ホンダの1.6Lクラスの車に搭載されているエンジン
  • B16B・・・シビック タイプR(EK9)に搭載されているエンジン
  • B18C・・・インテグラ(DC2)に搭載されているエンジン

どれもDOHC・VTECが搭載されており、低回転での燃費性能はもちろん、高回転時の吹け上がり方はかなりのもの。

中でもタイプR用に開発されたと言っても過言ではないB16B・B18CspecRエンジンは、レーシングエンジン並みの性能を誇っています。

参考に、各エンジンのスペックも比較してみましょう。

エンジン B16A B16B B18C B18CspecR
弁機構 DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
排気量 1,595cc 1,595cc 1,797cc 1,797cc
内径×行程(単位:mm) 81.0×77.4 81.0×77.4 81.0×87.2 81.0×87.2
圧縮比 10.4 10.8 10.6 11.1
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
最高出力(車種) 125kW(170PS)/7,800rpm(EK4 シビック) 136kW(185PS)/8,200rpm(EK9 シビック TYPE R) 132kW(180PS)/7,600rpm(DC2 インテグラ) 147kW(200PS)/8,000rpm(DC2 インテグラ TYPE R)
最大トルク(車種) 157N·m(16.0kgf·m)/7,300rpm(EK4 シビック) 160N·m(16.3kgf·m)/7,500rpm(EK9 シビック TYPE R) 175N·m(17.8kgf·m)/6,200rpm(DC2 インテグラ) 186N·m(19.0kgf·m)/6,200rpm(DC2 インテグラ TYPE R)

スペックだけ見てみると、どれも高回転方に重きを置いているエンジンのように見えるかもしれません。

しかしストップ&ゴーが多い市街地走行や、狭い路地裏でもストレスなく走ることができます。




B16Bエンジンの維持費やメンテナンス

↓B16Bエンジンのオイル交換やエレメント交換の手順が紹介されています

高出力のB16Bエンジンは、普通の量産エンジンよりも精密に作られているため、比較的壊れにくいエンジンとしても有名。

しかし、しっかり作られているエンジンとはいったものの、販売から20年以上も経過しているため、どうしてもある程度の劣化は避けて通れません。

そのため、エンジンオイルの管理や、オーバーホールについてはしっかり考えておかなければいけません。

おすすめのエンジンオイル

B16Bエンジンにおすすめのエンジンオイルは、高粘度のものとなります。

VTECを作動させた状態は、ガソリン供給量も増え燃焼エネルギーも大きくなるため、エンジン内部が非常に高温になります。

そのため、粘度の低いエンジンオイルだと、油膜切れを起こしてしまうことも考えられます。

また、粘度が高くても、信頼できるメーカーでなければ油膜切れを起こすリスクは避けられません。

そのため、次の粘度のエンジンオイルを使用することをおすすめします。

  • 5W-30
  • 10W-40

ちなみにおすすめのエンジンオイルは、

となります。

ちなみにおすすめの交換頻度は5,000キロに1回。

エンジンオイルはそのままの状態でも劣化が進みますので、5,000キロに達さなくても半年に1回くらいの頻度で交換するようにしましょう。

B16Bエンジンのオーバーホール費用は約50〜80万円

B16Bエンジンのオーバーホールにかかる費用は、50〜80万円ほどが相場となります。

高回転を使用するB16Bエンジンは、サーキットや峠走行で酷使されていることが多く、ノーメンテのエンジンだと突然エンジンブローすることもありえます。

そのため、中古で購入したB16Bエンジンであれば、距離によってオーバーホールを検討しなければいけません。

エンジンをオーバーホールするタイミングは、20〜40万キロとも言われています。

壊れにくさだけで考えると、B16Bエンジンは長持ちするとも言われていますが、性能面を考えると15万キロくらいでオーバーホールする方がいいでしょう。

また、エンジンオーバーホールと同じタイミングで社外パーツに交換する選択方法もあります。

そのためエンジンチューニングをするタイミングでオーバーホールをすると、費用を抑えることができます。

↓こちらの映像はB16Bエンジンをオーバーホールするために分解しているところの映像。メカ好き必見の内容です!

B16Bエンジンの燃費

B16Bエンジンの燃費について見てみると、10・15モードで13.6km/Lほどとなっています。

実燃費の方も見てみると、11〜14km/Lほどですので、カタログ値の数値でほぼ間違いないと考えられますね。

B16Bエンジンのチューニング情報

ただでさえ高品質なB16Bエンジンでも、更なるパワーアップを見込んでチューニングをすることも可能です。

  1. 電装系チューニング
  2. 排気系チューニング
  3. コンプリートエンジンも販売されている

タイプRのエンジンは、下手なチューニングショップに任せると、返って逆効果になることもありますので、しっかりとしたショップに任せることが大事。

しっかりしたチューニングショップに任せると、ターボ車もチギれるほどのポテンシャルも発揮します。

①電装系チューニング

チューニング言えばお金がかかるイメージがしますが、一番リーズナブルなチューンングとしておすすめなのが電装チューニングです。

  • プラグ交換
  • アースチューニング
  • イグニッションコイル交換

電装系チューニングをきちんと施せば、プラグから綺麗な火花を飛ばすことができますので、燃費向上やパワーアップが考えられます。

②排気系チューニング

せっかく高回転でのパワーがあるB16Bエンジンは、排気チューニングを施すだけで、簡単にパワーアップさせることができます。

メーカーによってはマフラーを交換するだけで爆音になることもありますが、最近では、車検対応の静かなマフラーもたくさん販売されています。

車検対応マフラーでも性能面が劣ると言うことはありませんので、お好みのメーカーのマフラーを選ぶようにしましょう。

③コンプリートエンジンも販売されている

B16Bエンジンは、以下のショップから販売されています。

コンプリートエンジンであれば、無条件で程度の良いエンジンが手に入りますので、中途半端にエンジンをオーバーホールするより良いこともあります。

また、買い切り価格ですので、予算の目処も立てやすいとも言えるでしょう。

そのため、エンジンのオーバーホールのタイミングが近づいてきたら、コンプリートエンジンも視野に入れておくことをおすすめします。

まとめ:タイプRの心臓部であるB16Bエンジンは1.6Lクラスで最強のエンジン!

B16Bエンジンのスペックや、搭載車種のシビック タイプR(EK9)についてご紹介しました。

B16Bエンジンはホンダの代名詞であるVTECを搭載しており、低燃費はもちろん、高回転域でのピークパワーが非常に特徴的。

もはやリッター100馬力は当たり前とも言われるB16型のエンジンは、回せば回すほどグイグイ加速します。

また、タイプR系のエンジンは、今尚高い人気がありますので、機会があれば、ぜひ堪能してみてください!