車売却方法・手続き

中古車の売買には重要!職権打刻をわかりやすく解説!

中古車を売る場合も買う場合も、できるだけリスクを回避しながら話を進めたいところです。

その中でも聞きなれない言葉が、「職権打刻(しょっけんだこく)」です。

普段の生活では使う言葉ではありませんし、知らなくても問題ありませんが、自分が車を売る場合や中古車を買う場合には知っておいて損はない言葉です。

今回は「職権打刻」の意味やどんな車を指すのか、職権打刻車の申請の方法や注意点をわかりやすく解説していきます。

職権打刻って何?

職権打刻は、理由があって車に打ち込まれた車台番号が読み取れなかった際に、運輸支局から特別に与えられた車台番号を新たに車に打ち込んで貰うことを指します。

現在は新たな車台番号が打刻された状態の金属プレートを貼りつける方式に変更されていますが、かつては工具で車台に直接番号を打刻していた名残で、今でも「職権打刻」と読んでいます。

 

職権打刻の車検証上の番号はどんな感じ?

職権打刻を行った車検証上の番号は、

  • 国[01]00001国

 

という様に漢字が混ざっており、普通の車台番号とは違うという特徴が見られます。

職権打刻を知るには車台番号についておさらいする必要がある

職権打刻と車台番号は密接な関係があります。そのため、改めて車台番号についても知る必要があります。

車両の識別にも利用される車台番号は職権打刻の手続きに等にも大きくかかわってきますので、ここでおさらいしましょう。

 

車台番号は車に打刻された番号のことで、車ごとにそれぞれ異なる番号が割り振られています。

車台番号は誰にも改変できないように、車のフレームや専用のプレートに打刻されているのも特徴です。

基本的には車検証を見ていただくと車台番号がわかるようになっていますが、同じ番号が車台にも付与されていることになります。

こうすることで、車検証と車本体の整合性を証明する仕組みを取っているのです。

職権打刻は車台番号が識別できない場合にもらえる

車を長期で利用していたり環境の悪い場所へ置いていたりすると、車台番号の載っているプレートの劣化や腐食等によって車台番号がわからなくなってしまうことがあります。

その場合は陸運支局へ相談すると、新しい番号をもらうことができます。この時に行う手続きが職権打刻なのです。

職権打刻の車には4つのケースがある

職権打刻を行う場合「車台番号腐食で識別不可」という理由のほかに、「車台番号が識別出来ない車」や「正規ルートで輸入されていない車」にも行われます。そのため、普通に車に乗っていれば本来必要のない手続きです。

ですが職権打刻の概要やケースを知っている場合は、中古車売買の際にリスク回避もできます。

では、職権打刻を行うケースはどのような車に当てはまるのでしょうか。車に職権打刻を行う場合は、以下の4つのケースが考えられます。

1)腐食

前述の通り、腐食によってもともとの車台番号が識別出来ない車は諸手続きを行ったうえで、職権打刻を行います。

2)盗難車

職権打刻された中古車が、実は盗難車だったという場合もあります。

職権打刻は車台番号が識別出来ない車に行いますが、盗難車は窃盗犯によって車台番号が削られている可能性があるのが実情です。

基本的に盗難された車の持ち主が出す被害届を元に警察が車台番号を割り出し、同じ車台番号を再び登録できないようにします。

窃盗犯たちは、車台番号によって盗んだ車の足取りをわからなくするため「あえて」車台番号を削ることがあるのです。

その後は書類の偽造を経て車を市場に展開してしまうのですから、素人の私たちにはわかりませんよね。

実際、盗難車がどの位市場に出ているかは定かではありません。そのため中古車を新しく購入する際も、職権打刻車の場合は注意する必要があるのです。

ただし、盗難車の多くは海外に出されることが多いようです。

3)事故車

大きな事故によって車台番号が識別出来ないほどダメージを受けてしまい、車台番号が識別できずに職権打刻を受けるというケースもあります。

事故に遭った車を廃車にせずに修理して乗り続けたいと思う人は運輸局で職権打刻をしてもらいますが、レアケースです。

4)並行輸入車

代理店を通さず海外から直接購入するというように、正規ルートで輸入されていない車も職権打刻が必要なケースです。

並行輸入車のうち、指定自動車等と同一と認められない車や輸入車の製作者が特定出来ない車は、職権打刻されます。

詳細は国土交通省の並行輸入自動車審査要領で説明されていますので、並行輸入車を購入する場合は参考にしましょう。

職権打刻車の注意点2つ

普段行う必要のない職権打刻ですが、実際に中古車を買ったり売ったりする場合に職権打刻に出くわしたら、何に注意をすればよいでしょうか?

職権打刻車の注意点を2つご紹介します。

職権打刻車の注意点1)中古車を買うときに気を付ける

前述でも触れましたが、中古車を買うときに欲しい車が職権打刻車だった場合は注意が必要です。職権打刻がされた車は、盗難車や事故車の可能性があるからです。

そのため購入後に盗難車であることが発覚したり、すぐ故障してしまったりとトラブルに巻き込まれかねません。

心配な方は、中古車を購入する前に車番をチェックするようにしましょう。

職権打刻車の注意点2)売る場合は高く売ることが難しい

反対に、何らかの理由で職権打刻をした車を売ろうとする場合は査定が低いケースがあります。

職権打刻車を高く売ることは難しく、既にJAAI(日本自動車査定協会)の定めた基準があります。

JAAIの定めている「商品価値減額点」という項目基準によると、

  • 基本価格×30%以内

減額されてしまう仕組みが取られています。これは職権打刻車が、盗難車や事故車の可能性があるために取られた措置です。

また並行輸入車も車種によっては職権打刻をしなければならないため、売る場合には高額で売ることができないこともあります。

並行輸入車を売る場合は輸入車専門の買取業者に相談し、買取りを依頼するのがベストです。

職権打刻は自分で手続きもできる

普通に車を利用していれば必要のない職権打刻の手続きですが、何らかの理由で車台番号が削れてしまった場合、自分で手続きを取れば職権打刻を受けることが可能です。

所要時間も1日ほどですので簡単にできます。万が一に備えて、職権打刻の方法をここでご紹介します。

1)運輸支局で現車確認 

車台番号が確認できない旨を実際に見てもらわないと職権打刻できないため、運輸支局の人に職権打刻が必要な車を確認してもらいます。

運輸支局の人が車台番号が確認できないと判断した場合は、職権打刻の手続きを開始します。

2)書類を出し、打刻

運輸支局の人が職権打刻を必要と判断したら書類を準備し、申請を行います。

職権打刻に必要な書類は以下の4つです。

  • 職権打刻申請書・・・運輸支局で入手できます
  • 製造証明書・・・ディーラーで入手します(発行費用はメーカーによって異なりますので、確認しましょう)
  • 車検証・・・コピー可
  • 旧車台番号が確認できるもの・・・ない場合は、運輸支局の人に相談しましょう

 

職権打刻申請書は車検証に記載されている内容を転記すれば記載可能ですが、わからない場合は運輸支局の人に教わりながら書きましょう。

完成した書類を確認した後、運輸支局の担当者が車体のフレーム部分に打刻をしてくれます。

3)車検証の記載情報の変更

職権打刻が済んだら、新車番の車検証を入手しましょう。

車検証の変更手数料は地方自治体によって異なりますが、およそ350円です。指定された金額を収入印紙で払います。

車検証の車台番号の変更が済んだら、忘れずに任意保険や自賠責保険の登録も変更しましょう。

まとめ

職権打刻は、めったに行う手続きではありません。

個人が職権打刻が必要なケースは、車台番号の腐食や、並行輸入車を購入する場合の車台番号登録がメインとなります。

また中古車を買うときに車台番号が職権打刻車の場合は、盗難車・事故車の可能性があるので注意が必要です。

職権打刻車には様々な事情もありますので、購入する前に車台番号を確認し、職権打刻車だった場合は販売者に経緯を確認するようにしましょう

そして何らかの理由で職権打刻を行った車は、高く売れない可能性があります。並行輸入車の場合は輸入車専門店へ相談するのがベストですが、並行輸入車以外で職権打刻がされている車の場合は、一括査定で複数の買取り会社と相見積もりを取るなどして工夫をしましょう。