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スバルの名機EJ20エンジンの歴史や弱点 搭載車種 スペックに迫る!

スバルの名機EJ20エンジンについて記述している記事のイメージ画像




スバルと言えば、水平対向エンジンとAWD(前輪駆動)のイメージが強いですよね。

その水平対向エンジンの中でも一目を置かれる存在、名機と呼ばれる存在が「EJ20エンジン」ではないでしょうか?

スバルの熱狂的なファンの方(生粋のスバリスト)ならスバルの名機は「EA型」と答えるかもしれません。

しかし現在のEJ20エンジンは2,000ccで300馬力を発揮する優れたエンジンですし、1989年にデビューしてから1990年代の「走りのスバル」のイメージを定着させたエンジンでもあります。

そのような歴史から当メディアでは、スバルの名機は「EJ20エンジン」とさせて頂きます。

そしてこの名機「EJ20エンジン」の詳細や生い立ちまで知っているという形はそう多くは無いはずです。

そこで今回は、スバルが誇る名機「EJ20エンジン」にクローズアップして、その全容に迫っていきます。

具体的にはこの記事の前半部分でEJ20エンジンの概要や弱点、搭載車種などをご紹介していき、

後半にてEJ20エンジンの輝かしいレースでの功績や今後の展開についてご紹介。

さらに踏み込んだ話をしてしまうと、今後EJ20エンジンの搭載車種は少なくなっていき、生産台数もどんどん減っていくと予想がされます。

今後EJ20エンジン搭載のスバル車を新車で購入できる機会もどんどん減っていくことになりますので、EJ20エンジン搭載の車に乗りたい方は早め早めの購入を検討することをオススメします。

そしてこの記事はそのようなスバル車の購入を検討している方や、EJ20エンジンについて知りたい方にぜひとも読んで頂きたい内容となっておりますので、ご一読くださいね。




スバルの名機「EJ20エンジン」とは、そもそもどんなエンジンなのか?

まずは「EJ20エンジン」がどのようなエンジンなのかを深堀りしていきますね。

もちろんスバルのエンジンということで、みなさんがイメージしている通りこの「EJ20」は水平対向4気筒エンジンです。

※↓は動画です。音量注意!

しかしこのEJ型エンジンの生い立ちや構造上の弱点など気になる点も多々あるかと思いますので、下記の順番で詳しくご紹介していきますね。

  1. EJ20エンジンの概要
  2. EJ20エンジンの構造上の弱点

EJ20エンジンの概要

そもそもEJ型エンジンは、EA型エンジンの後継モデルとして開発され、1989年から現在に至るまで生産されているエンジンです。

簡単にEJ20エンジンのスペックをご紹介すると下記になります。

モデル スバル WRX STI のエンジンスペック
エンジンのタイプ 水平対向4気筒DOHC16バルブ デュアルAVCS ツインスクロールターボ
排気量 1,994cc
内径×行程 92.0mm×75.0mm
圧縮比 8.0
最高出力 308PS(227kW)/6,400rpm
最大トルク 43.0kg・m(422N・m)/4,400rpm

初期のEJ20エンジンはターボモデルで220馬力程度だったのに対し、2019年のEJ20エンジンでは約308馬力と同じEJ20型エンジンでも全くの別ものということがわかりますね。

また現在、後継モデルとして、FA/FB型エンジンも存在しているため、スバルの水平対向エンジン(EJ型)の歴史は、

  • EA型→EJ型→FA/FB型

という流れで進化していることになります。

ちなみにEJ型エンジンの数字、ここでいう「20」は排気量を表しており、2,000ccを意味しています。

加えてEJ型エンジンには、

  • EJ15
  • EJ16
  • EJ18
  • EJ22
  • EJ25

など排気量の違うモデルも存在していますが、EJ20型とEJ25型以外のエンジンはすでに製造が終了しています。

EJ型エンジンの構造上の弱点は?

EJ型エンジンの弱点を先にまとめると、

  • 水平対向エンジン特有のビッグボア×ショートストロークで高回転型エンジン
  • 基本設計が30年近く前のため、時代遅れのエンジンと言える

の2つがあげられます。

では細かく見ていきましょう。

まず水平対向エンジンの特徴として、低重心かつ高剛性で、エンジン自体もコンパクトにまとまるという優位性があります。

ただそのような優位性があったとしても基本的な設計年次は30年以上も前のもの。

加えて水平対向エンジンは排気量を大きくしようとすればするほど、ビッグボア×ショートストロークになりがちです。

というのもピストンが水平に並んでいるため、排気量を大きくしようとすると、必然的に横幅が広くなってしまいます。

しかし横幅にも限界があるため、ボア径を大きくすることで排気量をアップさせる方法となり、結果としてビッグボア×ショートストロークのエンジンとなってしまうのです。

これが水平対向エンジン特有の弱点になります。

そしてビッグボア×ショートストロークのエンジンは高回転型となるため、低回転でのトルクが細くなってしまうのです。

つまりエンジンをガンガン回すスポーツ走行には向いているものの、街乗りなどあまりエンジンを回さない場面では少々扱いづらいエンジンとなってしまいます。

もちろんEJ20型エンジンは、毎年のように改良を行い、確実に扱いやすくなっているのは事実です。

しかしまだまだスポーツユニットとしての素質が高く、ビッグボア×ショートストロークの高回転型エンジンと呼ばざるを得ません。

特に昨今のターボエンジンは、低回転でのトルクを重視して作られているにも関わらず、EJ20型のターボエンジンはそれとは逆行する形で高回転型のまま

やはり人によっては扱い辛いという方もいるでしょう。

これがEJ型エンジンの構造上の弱点ということになりますね。




EJ20エンジンの種類と搭載車種は?

ではここからEJ20エンジンの種類と搭載車種についてご紹介していきます。

※↓は動画です。音量注意!

先程もご紹介したように同じEJ20エンジンでも、初期のころのEJ20エンジンと現在のEJ20エンジンでは性能が格段に違うため、全くの別ものと捉える方が良いでしょう。

そこで年代別でEJ20エンジンを見ていきたいところですが、細かく見ていくとかなりの文量となってしまうため、ここでは簡単にご紹介させて頂きますね。

EJ20エンジンの種類

まずEJ20エンジンは大きく分けるとNAタイプターボタイプの2種類があります。

その上それぞれで細かく違いがあり、NAタイプでは以下の3種類がございます。

  • SOHC16バルブ仕様
  • DOHC16バルブ仕様
  • DOHC16バルブAVCS仕様

一方でターボタイプとなると、以下の5種類もあり量産車では最高出力308馬力を叩き出すほどにEJ20エンジンは進化をとげているのです。

  • 水冷インタークーラーターボ仕様
  • 空冷インタークーラーシングルターボ仕様
  • 空冷インタークーラーツインターボ仕様
  • 空冷インタークーラーシングルターボ シングルAVCS仕様
  • 空冷インタークーラーシングルターボ デュアルAVCS仕様

AVCSとは、連続可変バルブタイミング機構(Active Valve Control System)のこと。

さらに詳しくご紹介すると吸気バルブの開閉タイミングを回転数に応じて最適に制御することで吸気効率を上げ、燃費性能と出力性能の双方を向上させる機構です。

ちなみにこの空冷インタークーラーシングルターボ デュアルAVCS仕様のEJ20エンジンを搭載したインプレッサSTI(308馬力)が280馬力自主規制を突破して、本格的な高出力化を達成した初の2,000ccエンジンとなります。

つまりそれだけEJ20エンジンは進化をとげているということですね。

では次にEJ20エンジン搭載車種をご紹介していきますね。

EJ20エンジン搭載車種

代表的なEJ20エンジン搭載車は、次の6車種になります。

  • レガシィ
  • インプレッサ(STI全車、WRX全車、SRX-GC8/GF8、GG9)
  • フォレスター(STI2,500ccモデルを除く全車)
  • WRX STI(VAB)
  • エクシーガ(全車YA4/YA5)
  • サーブ・9-2X(GG型インプレッサのOEM車。ターボ車にEJ20エンジンが搭載)

※レガシィは搭載車種が複雑で、ツーリングワゴンタイプで型式がBF4/BF5/BG4/BG5/BH5/BP5にEJ20エンジンが搭載。

ツーリングセダンタイプの場合は、型式がBC4/BC5/BD4/BD5とB4 BE5/BL5に搭載されています。

基本的にEJ20エンジンはスバルの主力エンジンとして、様々な車へ搭載されていました。

しかし近年では豪華な装備や安全装備の充実によって車体重量が増加傾向にあり、それに見合うだけの低速トルクをEJ20エンジンで確保するのが難しくなりつつあります。

そのため徐々にEJ20エンジン搭載車は少なくなってきており、現状ではWRX STIのみとなってしまっています。

名機EJ20エンジンが打ち立てた輝かしいレースでの功績

今現在レースと聞くと、スーパーGTでのスバル・BRZ GT300を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかしスバルのレースでの歴史は、1973年に参入を決めたラリー活動まで遡ります。

そこから17年後の1990年、名機「EJ20エンジン」を搭載した初代レガシィRSがWRCに本格参戦を果たすのです。
(ベース車両の初代レガシィRSは、水冷インタークーラーターボのEJ20で220馬力でした)

加えてこの年(1990年)から「EJ20エンジン」が本格的にレースに導入されるようになりました。

もちろん最初からEJ20エンジンが名機と呼ばれていたわけではなく、WRC参戦当時のEJ20エンジンは、まだまだ煮詰まっておらず、当時のドライバー「マルク・アレン」にノーエンジンと言わしめるほどできが悪かったのです。

しかし徐々に改良を重ね、1993年当時のドライバー「コリン・マクレー」によってWRC初優勝を手にしました。

※↓は動画です。音量注意!

そしてマシンも初代レガシィRSからインプレッサに変更され、1997年には開幕3連勝を果たすなど、輝かしい成績を収めます。

残念ながら2008年をもってスバルはWRCから撤退していますが、その間もEJ20エンジンは改良を進められており、

2009年からEJ20エンジンを搭載したレガシィB4でスーパーGTに本格参戦。

2010年の鈴鹿で初優勝を飾り、翌2011年にはシーズン2勝を果たすほど、EJ20エンジンは完成度の高いエンジンとなっておりました。

もちろんWRCとスーパーGTではエンジンの調整は違いますが、それでもスーパーGTなどのオンロードのレースにおいてもEJ20エンジンが優れていることが証明された事例です。

数あるEJ20の中で最高のフィーリングは「Sシリーズ」

先程もご紹介いたしましたが、「EJ20エンジン」は1989年から製造されているエンジンで、初期の頃のエンジンと今のエンジンでは性能がまるで違います。

その上、スバルテクニカインターナショナル(STI)ではいくつかのコンプリートカーを発売しているのですが、そのなかでも別格とも言えるのが「Sシリーズ」

当然のことながらエンジンには手が加えられており、パワーアップはもちろんのこと手作業でバランス取りが行われていた車種すらあります。

さらに足回りや外装にも手が入れられており、専用のエアロが装備されていることも。

ちなみにこの「EJ20エンジン」のバランス取りを行うことで、エンジンの微振動を減らすことができエンジン自体の耐久性や寿命を上げることが可能です。

このバランス取りの技術は、1989年のレガシィRSがデビューする前に挑戦した10万km耐久走行(当時の国際記録、平均速度223.345km/hを樹立)において磨かれた技術と言われています。

そして最新のSシリーズでは、2017年に発売されたS208が最新モデルとなっており、2,000ccツインスクロールターボのEJ20エンジンが

  • 329ps(242kW)/7200rpm
  • 44.0kg・m(432N・m)/3200~4800rpm

という性能。(細かいスペックが下記になります)

モデル スバル WRX STI (S208)のエンジンスペック
(2017年11月)
エンジンのタイプ 水平対向4気筒DOHC16バルブICターボ
排気量 1,994cc
内径×行程 92.0mm×75.0mm
圧縮比 8.0
最高出力 329PS(242kW)/7,200rpm
最大トルク 44.0kg・m(432N・m)/3200~4800rpm

もちろんどのSシリーズもオススメなのですが、このS208は特にオススメ!

前モデルのS207シリーズとは1馬力しか変わらないもののEJ20エンジンの完成度は別物と言ってもよい程、改良されています。

2,000ccのツインスクロールターボに6速MTの組み合わせで、吹け上がりの良さ・伸びの良さが抜群。

とはいえ2,000ccのエンジンということで若干の低速トルク不足を感じるかも知れませんが、それでも2,000ccのエンジンとしては相当優秀な仕上がりです。

加えて運動性能も良く、コーナーではフロントがしっかり切り込んでくれ、4輪すべてが仕事をしてくれていることを運転席でも味合うことができるほどのフィーリング。

ただ限定450台(内ニュルブルクリンク・チャレンジ・パッケージは350台)と玉数は少ないため、早めに車を確保してしまうことをオススメします。

>>Goo-netのWRX STI(S208)はこちら

 




まとめ|今後EJ20エンジンはどんどん生産終了の流れとなる⁉


スバルの名機「EJ20エンジン」は今後どんどん生産が少なり、いずれは生産終了となる可能性が高いです。

2019年現在でEJ20エンジンを搭載している車種は、日本仕様のWRX STIのみ。

海外仕様ではすでにEJ20エンジンの文字はカタログには無く、低速トルクを重視したEJ25エンジン(排気量2,500cc)が主流となっています。

またEJ20エンジンから第3世代のFA20エンジンへの移行も進んでいます。

そのため次のWRX STIのモデルチェンジにおいて、現在と同じくEJ20エンジンが搭載されるかはわかりません。

つまり今現在のWRX STIが成熟したEJ20エンジン搭載車として新車で購入できる最後のチャンスとなる可能性もあるのです。

ぜひこの機会に一度EJ20エンジン搭載車に試乗してみるのはいかがでしょうか?

>>カーセンサーでWRX STIはこちら