ホンダ・NSX。
この名前を聞いて、憧憬の思いを抱かれる方は決して少なくないでしょう。
バブル末期の1990年に誕生し、従来の和製スポーツカーにはなかったロングホイールベースや、当時最新の3.0リッターの横置きV型6気筒SOHCエンジン・C30A型を搭載。
特徴的な長いリアオーバーハングをトレードマークとし、「日本車で唯一のスーパーカー」とも評された名車のひとつです。
2005年12月に販売を終えて久しく時が流れましたが、2017年2月より新型NSXとして復活を遂げ、往年のスーパーカーファンの注目を集めています。
今回は、第10回大阪モーターショーの場にて展示された新型NSXのショットと共に、その姿をお届けしたいと思います。
新型NSXは近代的にリニューアル!先代との相違点は?
まずは先代との違いを見比べてみたいと思います。
以下、初代のI型NSXからⅢ型NSXまでを順にご紹介させて頂きます。
I型NSX(出典・wikipedia)
Ⅱ型NSX(出典・wikipedia)
Ⅲ型NSX(出典・wikipedia)
Ⅲ型NSX特別仕様車・NSX-R(出典・wikipedia)
そしてこちらが当代である新型NSXとなります。
新型NSX(出典・HONDA)
アメリカ・オハイオ州はメアリズビルにあるPMC(パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター)にて生産され、ほぼ全ての工程を職人の手で仕上げられたボディは、初代と比べてマッシヴな形状に進化。
最新のエアロダイナミクスに基づいて設計されたボディは、全長4,470mm×全幅1,940mm×全高1,215mmにホイールベース2,630mmとなり、3.5LのV6ツインターボエンジン採用のハイブリッドカーとして生まれ変わりました。
これに9速デュアルクラッチミッションを組み合わせ、最高出力は581psとハイブリッドカーとは思えない高出力を発揮。
この数値は国産スポーツカーの代名詞的存在であるニッサン・スカイラインGT-Rの570psを上回り、現時点では文句なしに国産スポーツカーの頂点だと言えます。
新型NSXの細部をチェック!ホンダ最先端技術の底力は?
初代NSXの生産終了から早12年、新型NSXは技術革新が著しいスポーツカー市場に対し、どのように進化したのでしょうか?
管理人が気になったポイントを細部のアップ画像とともに解説したいと思います。
まずはフロント部分から見てみましょう。
生産拠点がアメリカに移ったことにより、どことなくシボレー・カマロを思わせるマスクに変貌。
しかし、前後異径のスチールラジアルタイヤとNSX専用鍛造アルミホイール、カーボンセラミックブレーキローターによって非常にレーシーな足回りは、何者よりも速く走ることを追求した「世界のホンダ」の意思表示とも言えるスパルタンさ。
さらにオールアルミニウム製のフロントサスペンションを採用し、低中速時のキレの良さと、高速走行時の安定性を見事に両立。
ぐるりと車体の後ろへ回り込めば、カーボンファイバー製リアスポイラーが圧倒的な存在感を放ち、車体後方のダウンフォースを大幅に強化しております。
このリア部からの眺めた際の機械的な美しさもまた新型NSXの魅力の一つで、モニター表示とアラーム音で障害物の接近を告知する「パーキングセンサーシステム」により、この美しいボディを守る予防機能を備えております。
さらに車体後部中央に視線を移せば、4発のエキゾーストパイプが配列。
全体的に鋭い刃物で切り落としたかのようなシャープなシルエットが顔を覗かせております。
ボディサイドに至っては、フローティングリアピラーが後方へと流れ、美しいカーブを描くだけでは表現できない優美さを演出しております。
これは決してビジュアル性だけを追求したものではなく、スピードを求める上での必須要素である空力的な軽やかさを最先端の技術で表現したNSXならではのものだと言えるでしょう。
12年の時を経てホンダが温め続けたレーシングテクノロジーを結集した新型NSXは、ホンダ車史上最高のスポーツカーにふさわしい開発陣の情熱が詰まった至高の一台となっております。
ホンダ車史上最高峰!新型NSXは内装も見どころ満載!
走行性能・ビジュアル性が非常に極立った新型NSXですが、その完成度の高さは外的なものだけではありません。
内装面でも非常に見どころが多く、ひとつひとつの要素に技術人のこだわりが感じられます。
ドアを開けて最初に目に飛び込んでくるものは、スライド/リクライニング機能を電動調節可能にしたレザー性4ウェイパワーシート。
運転席側にはポジショニングメモリー機能も搭載し、オーナードライバーのベストポジションをいつでも再現可能としております。
そのシートに体を預け、前方へと視点を移せば、カーボンファイバー性メーターバイザーと本革巻きステアリングが操縦性の良さとフィット感をオーナーへもたらしてくれます。
ローアングルからの視野に慣れ、ルーフ内側に目を向ければ、上質なアルカンターラで覆われた車内空間のシックでスポーティな雰囲気が心ゆくまで堪能できることでしょう。
さらにエンジンに火を入れれば、V6ツインターボの咆哮とともにコンソール中央部のマルチインフォメーション・ディスプレイが近未来的な雰囲気を醸し出してくれます。
その他空気圧の低下に伴い、車輪位置と警告を発し乗り手に警鐘を鳴らす、レーシーなタイヤ空気圧警報システムを搭載し、ロイヤルサルーンばりのラグジュアリー感とスポーティさの両立に成功しました。
外観だけにとどまらず、車体内部に至るまでホンダレーシングチームの美意識が詰まった新型NSXは、紛れもなくホンダ始まって以来のハイパフォーマンス「ラグジュアリー」スポーツカーと呼べる一台です。