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スズキの『R06A』エンジンの特徴や搭載車種を紹介!違いやカスタム方法も

R06A型エンジンの画像




スズキの名機『K6A型エンジン』の後継機として開発された『R06A型エンジン』。

このR06A型エンジンは、新型ジムニーにも搭載されたことで、今ではスズキの軽自動車すべてに搭載されているエンジンです。

とはいえ、まだ新しいエンジンということもあり、詳しいことがわからない方も多いと思います。

そこでこの記事では、そんなR06A型エンジンについて特徴先代のK6Aエンジンとの違いなどを解説していきます。

具体的には、この記事の前半部分でR06A型エンジンのスペックや歴史、開発記などをご紹介していき、

後半にて搭載車種や燃費、カスタムのポイントなどをご紹介していきます。

少し長めの記事ですが、R06A型エンジンについて詳しく知りたい方や遊べる軽自動車を求めている方には読んで頂きたい内容となっておりますので、ぜひご一読くださいね。

では参ります。

R06Aエンジンとは?

簡単にR06A型エンジンの特徴を上げると、16年ぶりに新規開発されたエンジンで、K6A型よりもロングストロークとなっており、低速トルクや燃費、耐久性に優れるエンジンです。

ではさらにR06A型エンジンについて下記の順番で深堀りしていきますね。

  1. R06Aエンジンの概要
  2. R06Aエンジンのスペック|ターボ・NAの2つ合わせてご紹介
  3. 先代『K6Aエンジン』と『R06Aエンジン』の違い

R06Aエンジンの概要

R06A型エンジンは、スズキの軽自動車用4ストロークエンジンとして3代目のエンジンにあたり、2011年に初搭載されました。

さらに細かくご紹介すると、下記の順番で進化しており、

F型エンジン→K型エンジン→R型エンジン

現在ではハスラーやスペーシアだけでなく、アルトワークスやジムニーなどスズキの全ての軽自動車に搭載されています。

つまり普段使いだけでなく、スポーツ走行やオフロード走行にも対応できるポテンシャルを秘めている万能なエンジンなのです。

また軽量化と小型化を重視した設計となっており、下記のような特徴があります。

  • 全てDOHCの4バルブ(吸気2バルブ・排気2バルブ)
  • K型エンジン同様、R型エンジンの設計もアルミニウム合金ダイカストを採用。
  • K型エンジン同様、10万kmごとに交換するタイミングベルト方式ではなく、30万kmまでメンテナンスフリーと言われているタイミングチェーン方式。

ちなみにR06A型エンジンが搭載された車種は、車両型式のアルファベットに続く2桁の数字の十の位が『3』となっております。
(アルトを例に出すと、K型はHA25S、R型はHA36S)

もちろん進化しているのは運動性能だけでなく、昨今の燃費性能や環境性能にも対応。

そのためR06A型エンジンは、燃費性能と運動性能を両立している高いポテンシャルのエンジンと言えますね。

R06Aエンジンのスペック|ターボ・NAの2つ合わせてご紹介

ではR06A型エンジンの馬力やトルクについて、ターボとNAそれぞれで見ていきましょう。

タイプ NA ターボ
種類 水冷4サイクル直列3気筒 水冷4サイクル直列3気筒
インタークーラーターボ
弁機構 DOHC12バルブ吸排気VVT DOHC12バルブVVT
排気量(L) 0.658
内径×行程(mm) 64.0×68.2
最高出力(kW/rpm) 38(52PS)/6,500 47(64PS)/6,000
最大トルク(N・m/rpm) 63(6.4kg・m)/4,000 95(9.7kg・m)/3,000

(※NA・ターボ両モデルの設定がある現行のハスラーを例にしています。参照

先程も簡単にご紹介致しましたが、上記の表の通りR06A型エンジンは、エンジンの回転数を少し上げた当たりでトルクのピークを迎えるようになっています。

特にターボモデルは(NAモデルに比べて)、

  • 最大トルクは1,000回転
  • 最大出力は500回転

も少ない回転数でピークに達する設定です。

そのためターボのR06A型エンジン搭載車は、余裕のある走りができるということが上記の表からもわかりますね。

もちろんNAモデルでも普段からエンジンのパワーを十分に利用した走行ができる設定となっているため、乗りやすいことに違いありません。

先代『K6Aエンジン』と『R06Aエンジン』の違い

スズキの名機と言えば先代の『K6A型エンジン』を思い浮かべる方も多いでしょうし、現在でもK6A型エンジン搭載車に乗っている方も多いですよね。

そこでここからは、先代K6A型エンジンとR06A型エンジンの違いについてご紹介していきます。

先に違いをまとめると、R06A型エンジンは、K6A型に比べて

  • ロングストローク化
  • 圧縮比がNAで11.5、ターボで9.1にアップし燃焼効率が改善
  • 乾燥重量がNAで1.5 kg、ターボで4.5 kgほど軽くなっている
  • ベアリングキャップが個別タイプ(K6Aは一体型)
  • 取付部の剛性アップにより振動と騒音が減少
  • タイミングチェーンは一緒だが、チェーン自体はサイレントチェーンとなっている(K6Aはローラーチェーン)

などがあげられます。

これだけ見てもK6A型エンジンからかなりの進化を遂げていることがわかりますね。

もちろん細かく見ていくと、まだまだ無数の違いがありますが、さらに専門的な内容となってしまい、わかりにくい記事となってしまうため、この辺にさせていただきます。

さらに詳しく知りたい方は、下記を参照ください。
Wikipedia:スズキ・R型エンジン

では次で圧倒的に進化を遂げたR06A型エンジンがどのような経緯で開発されたのか、また現在にいたるまでの歴史についてご紹介していきます。




R06Aエンジンの歴史や開発記

F型、K型エンジンはそれぞれ20年以上に渡り生産されてきたエンジンです。

そのためK型の後継機にあたる、R06A型エンジンも20年以上生産することを見据えて開発されました。

一方で近年では環境規制が厳しくなり、ガソリン価格も高騰しています。

そのためスズキでは、燃費性能の向上を最優先にしながらR06A型エンジンの開発を行っていたのです。

ではさらにR06A型エンジンの開発記や登場から現在までの歴史について探っていきましょう。

20年先を見越して開発された

R06A型エンジンは、先代のK型エンジンやF型エンジンのように20年以上生産できるエンジンとして開発されています。

具体的には、

  • 低コスト
  • 大量生産でも品質が確保できる設計
  • 660ccクラスのエンジンとして最軽量
  • 乗用・商用、問わず使用できる設計
  • FFやFRなどの搭載方法に合わせて搭載できるような汎用性の高い設計

などを高い次元でバランスできるように開発されました。

さらにワンランク上の1,000ccクラスのコンパクトカーにも負けない運動性能や快適性(静粛性)なども目標にされています。

もちろん昨今の環境規制やガソリン価格の高騰に合わせ、燃費向上は最優先事項として開発。

満を持して2011年にMRワゴンに初搭載されました。

初搭載は、3代目MRワゴン(2011年)

R06A型エンジンが初めて日の目を浴びたのは、2011年1月の3代目MRワゴンが発売された時です。

それ以降は、次々とスズキの軽自動車に搭載されています。

もちろんスズキがOEM提供している、他車の軽自動車にも搭載。

さらに初搭載後もさまざまな改良が加えられており、2012年にはフリクション低減の改良が加えられ燃費が向上しています。

改良後のR06Aエンジンが初搭載されたのは、5代目ワゴンRです。

2013年には商用車にも搭載

2013年8月には11代目のキャリイにR06A型エンジンを搭載。

そこで初めてR06A型エンジンが軽商用車にも採用されることとなります。

※当初はNAエンジン仕様のみのラインナップ。

ただ軽商用車に搭載されたエンジンは、軽乗用車とは異なりVVTの設定が吸気側のみとなっており、さらに縦置きです。

一方で、

  • VVTは、作動領域を拡大
  • 内部部品の変更によって油圧特性の見直し

により燃費が向上しています。

度重なる改良が施される

2014年には、さらにR06Aが改良されました。

具体的には、同年8月にワゴンRに採用されたS-エネチャージ用に次の5点が変更されています。

  • 圧縮比11.0→11.2
  • 燃焼改善
  • 摩擦低減
  • パワートレインの制御最適化
  • モーター機能付き発電機の搭載に合わせて補機ベルトシステムなども変更

ちなみにS-エネチャージが搭載された車種は、車両型式のアルファベット2文字に続く2桁の数字の十の位が『4』となっています。
(例:5代目ワゴンRはMH34S、S-エネチャージ搭載車はMH44S)

また同年12月には、8代目アルト用にさらなる大幅な改良が施され、

  • 吸気ポート・ピストントップ形状の変更
  • 圧縮比(11.2→11.5)
  • 触媒ケースの簡素化などで軽量・コンパクト化
  • シリンダーヘッドをエキゾーストマニホールドとの一体型に変更

などを実現します。

2015年には縦置きR06Aでもターボモデル登場

2015年2月には、軽商用車で採用されていた縦置きR06A型エンジンで初となるターボモデルが設定されます。(6代目エブリイ/3代目エブリイワゴン)

加えて同年3月からは、ターボ仕様のR06A型エンジンの改良モデルがアルトターボRSに初搭載。

改良点としては、高タンブル吸気ポートの採用です。これによりターボチャージャーが高効率化。

そしてターボが効率良く機能するようになったため、最大トルクの向上につながっています。

もちろんトルクの向上だけでなく、ターボラグも約20%抑えられ、ターボ加給レスポンスも向上。

また同年12月には、アルトワークス用に改良が施され、最大トルクがさらに向上し、100N・mの高トルク仕様へとなったのです。

2017年には冷却性能アップと高出力化

2017年2月には、エンジンの冷却性能が高められたR06A型エンジンが登場。(初搭載は、6代目のワゴンRです)

またマイルドハイブリッドシステムを搭載することによる高出力化に対応さえるため、補機ベルトの張力が低減する改良も加えられています。

一方で若干ではありますが、最大トルクは5代目ワゴンRよりも低下。

とはいえ、車自体が軽量化されており発進時もモーターのアシストがあることから、最大トルクが数字上では下がっていますが、車トータルでの性能は格段に向上していると言えます。

ちなみにR06Aエンジン+マイルドハイブリッドシステムを搭載した車種は、車両型式のアルファベット2文字に続く2桁の数字の十の位が『5』となっております。
(例:6代目ワゴンRはMH35Sですが、マイルドハイブリッドシステム搭載車はMH55Sとなっています)

R06Aエンジン搭載車種は?(OEM車も含む)


新型ジムニーがR06A型エンジンを搭載し登場したことで、今ではスズキ全ての軽自動車でR06A型エンジンが搭載されています。

とはいえ、詳しい搭載車種を知りたい方やOEM提供された他メーカーのR06A搭載車を知りたい方に向けて、搭載車種をご紹介していきます。
(次の『NAとターボで燃費はどれだけ違うのか』へ進みたい方はこちらをクリック)

  • MRワゴン/MRワゴン ウィット(MF33S)
    日産・モコ(MG33S)
  • アルト エコ(HA35S)
    マツダ・キャロルエコ(HB35S)
  • アルト/アルト ターボRS/アルト ワークス/アルト バン(HA36S/36V)
    マツダ・キャロル(HB36S)
  • アルトラパン(HE33S)
  • スペーシア/スペーシア カスタム/スペーシア カスタムZ(MK32S/42S)
    マツダ・フレアワゴン/フレアワゴン カスタムスタイル(MM32S/42S)
  • ワゴンR/ワゴンR スティングレー(MH34S/44S)と(MH35S/55S)
    マツダ・フレア/フレア カスタムスタイル(MJ34S/44S)と(MJ55S)
  • ハスラー(MR31S/41S)
    マツダ・フレアクロスオーバー(MS31S/41S)
  • ジムニー(JB64W)
  • キャリイ(DA16T)
    マツダ・スクラムトラック(DG16T)
    日産・NT100クリッパー(DR16T)
    三菱・ミニキャブトラック(DS16T)
  • エブリイ/エブリイワゴン(DA17V/17W)
    マツダ・スクラムバン/スクラムワゴン(DG17V/17W)
    日産・NV100クリッパー/NV100クリッパーリオ(DR17V/17W)
    三菱・ミニキャブバン/タウンボックス(DS17V/17W)

上記のように、登場から10年も経っていないR06A型エンジンですが、すでにスズキのさまざまな軽自動車に搭載されており、汎用性の高さが伺えます。

またOEM提供されている軽自動車にもR06A型エンジンが搭載されていますので、

  • いつも他メーカーで新車を購入しており、スズキでは新車を買わない
  • メーカーにこだわりがある

というような方であっても、R06A型エンジン搭載車を購入することが可能です。

ぜひR06A型エンジン搭載車を購入したい方は参考にしてみてください。

NAとターボで燃費はどれだけ違うのか

R06A搭載車の購入を検討していない方でも最新のエンジンがどれくらいの実燃費なのか気になりますよね。

そこでここでは、NAとターボに分けて車種別に実燃費をご紹介していきます。
(駆動方式は、全て2WDモデルを選んでいます)

動画で実験されている方もいましたので、こちらも合わせて参考に載せておきますね。

マツダ・フレア(ワゴンRのOEM車)のNA・ターボの2台で実燃費を
計測している動画です。↓音量注意!

NA
車種名 実燃費(単位:km/L)
アルト(CVT) 19.99~26.10
ハスラー(CVT) 15.25~24.96
エブリイ(5速MT) 12.64~19.08
ターボ
車種名 実燃費(km/L)
アルトワークス(5速MT) 16.84~22.29
ハスラー(CVT) 13.37~24.91
エブリイ(5速MT) 12.82~21.97

※実燃費のデータは、e燃費 みんカラで調査したデータになります。

実燃費で見ると、意外にもNA・ターボの燃費差が少ないですね。

そのため、もし4名乗車が基本や荷物を多く積むという方は、馬力の少ないNAエンジンだと回転数を上げて馬力を絞り出すような走り方をするため、燃費が悪くなる可能性があります。

そこでNAとターボを選ぶ場合は「その車をどのように使用するか」によって決めることが大切ですね。

R06Aエンジンの整備やカスタムのポイント

↓は動画です。音量注意!

ここではR06A型エンジンの整備とカスタムについて下記の順番でご紹介していきますね。

  1. 整備の基本は、オイル交換
  2. R06Aエンジンカスタムは100馬力も狙える

ポテンシャルの高いエンジンだからこそ、普段の整備には気を使い、常に高いパフォーマンスが発揮できるようにしておきたいですね。

またポテンシャルが高いからこそ、そのポテンシャルを引き出すだけのカスタムでも十分楽しめる1台に変貌を遂げてしまいます。

ぜひ参考にしてみてくださいね。




整備の基本は、オイル交換

R06A型エンジンはタイミングチェーン方式のエンジンです。

タイミングチェーン方式では、金属のチェーンがエンジン内部にあるため、タイミングベルト方式のエンジンに比べてオイル交換の重要性が高くなります。

逆を言うと、こまめにオイル交換してあげるだけで、エンジンの寿命を伸ばすことができるので定期的にオイル交換を行いましょう。

※交換の目安は、3,000~5,000km毎がオススメです。

具体的なオイルの量ですが、

車種名 オイル量(単位:L)
MRワゴン 2.7
アルト 2.4
アルトワークス 2.4
エブリイ 2.7
キャリイ 2.8
ジムニー 2.6
スペーシア(MK53S) 2.4
ハスラー 2.6
ラパン 2.6
ワゴンR(NA) 2.4
ワゴンR(ターボ) 2.6

出典:スズキ|オイル適合表より

またオイルフィルターを交換した場合は、上記のオイル量にプラスして、0.2Lのオイルを入れるようにしましょう。

R06Aエンジンカスタムは100馬力も狙える

ターボ仕様のR06A型エンジンは、軽自動車の馬力規制により64馬力に抑えられていますが、100馬力以上も狙えるポテンシャルのあるエンジンです。

実際に100馬力仕様のアルトワークスに仕上げている方もいらっしゃいます。

↓は100馬力のアルトワークスの紹介動画です。音量注意!

そしてカスタムの基本ですが、

  • ECU書き換え
  • ブーストアップ
  • タービン交換

などですね。

下記のようなメーカーからECU書き換えキットやボルトオンターボキットなどが発売されており、現在では手軽に馬力アップを狙うことが可能です。

またモンスタースポーツからは、アルトワークスのコンプリートカーも発売されております。(コンプリートカーの詳細情報はこちら

自分でカスタムするのは面倒だけど、速い軽自動車が欲しいという方は、初めからコンプリートカーにするのもオススメですね。

まとめ|多気筒エンジンに匹敵する静粛性のエンジン

ここまでR06A型エンジンの特徴や開発記、燃費などをご紹介してきました。

先代のK6A型エンジンから圧倒的な進化を遂げ、1Lクラスのコンパクトカーのようなパワーや静粛性を手に入れたR06A型エンジン。

さらに吹け上がりもスムーズで、一昔前の直列6気筒エンジンを彷彿とさせるほどです。

一方でカスタムすれば100馬力以上も狙え、普段の足からレーシングカーへと変貌させることもできてしまうエンジン。

R06A型エンジンの成熟も進み、カスタムだけでなく最初から搭載されているエンジン自体もかなり洗練されてきています。

アルトワークスでも150万円台~と価格的にもかなり控えめですので、ぜひ一度R06A型エンジン搭載車に乗ってみてはいかがでしょうか?